利益を増やしたい、材料費が増えたなど理由は様々ですがハンドメイド作品の値上げをしたいと思う事も多いですよね。
Contents
よくある値上げの理由
もっと儲けたい(利益を上げたい)
最初は安くても作った作品が売れていくとそれだけで嬉しくて満足してしまいます。
でも、時間が経ってくると欲が出て、「こんなに売れるならもう少し価格を上げて利益を増やしたい」と思うもの。
私もそんな一人でした。
最初は原価など細かく計算していなかったので、なんとなくな価格で販売して、よく考えると売れてもあまり儲かってない事に気づいて値上げに踏み切りました。
計算したら利益どころか赤字価格で販売していたなんて方もいます。
ある程度売れている方は、原価や売上を計算して赤字やあまり利益が出ていないようなら、値上げをおすすめします。
私はハンドメイドで儲けようとか稼ごうとか考えてない!作った作品が売れる喜びを感じられれば良い!ならそのままで良いと思います。
材料の変更や価格の高騰
ハンドメイド作品のパーツや記事などの材料が変わったり、価格が値上がりすると作品の販売価格を上げざるおえません。
多少利益が減ってしまいますが、少しなら現在の価格で作品を販売しても良いと思います。
材料費の価格上昇は頻繁に起こる可能性があります。
材料費が上がるたびに作品の値上げをしていては頻度が高くなりすぎなので、値上げの際は今後の材料費の価格上昇を見越して多少余裕を持った価格での値上げをおすすめします。
もしくは、材料費の上昇が〇〇円までなら現在の価格で販売、〇〇円以上になったら〇〇円値上げをするなど大体の基準を決めておくのも良いと思います。
あとは、もっと良い素材に変更したために価格が上がる事もありますね。
例えば、今まではシルバーメッキのチェーンを使用していたけど、アレルギーの人にもつけて欲しいからチェーンの素材を全てシルバー925に変更するなど。
作るのが追い付かない
オーダーや1つ作るのに時間がかかる作品を販売している作家さんに多い理由だと思います。
時間がかかる作品って頑張っても1ヶ月に作れる個数に限界があります。
作れる数に限界があるという事はそのまま販売していてもこれ以上利益を増やすことができません。
原価を抑えたり、人雇うなら別ですが。
なので、注文が殺到している場合、販売価格を上げると利益を増やしつつゆっくりと制作作業に没頭できます。
あえて注文が少し減るぐらいの値上げをすると、販売数自体は減りますが利益はそのままもしくはアップの可能性が高くなります。
例えば、1つ1,000円の作品を月に50個販売していた場合、1,000円×50個=50,000円
1,500円に値上げした場合、注文数が30個に減っても、1,500円×30個=52,500円
販売数は減少しても売上は少しアップします。
寝る時間もない、プライベートを犠牲にしているなんて、注文が入りすぎて忙しすぎる作家さんは、値上げで時間に余裕を持った作品作りができるようになります。
他の作家さんよりも作品の販売価格が安すぎた
競合調査をせずに、なんとなく販売価格を決めた結果気付いたらライバルよりもかなり安い価格で販売していたなんて事も。
でも、実績が出来るまでは安く売って、リピーターや実績が増えたら値上げをするのは実は正解。
だってなんの実績もない作家さんの作品と実績のある作家さんの作品の値段が同じなら、実績のある人気の作家さんの作品を買いたいと思いませんか?
よっぽどデザインに独自性があって差別化できているなら別ですが。
他の作家さんよりも安く販売していたけど、実績もリピータも増えてきた時こそ値上げのタイミングです。
値上げの影響と注意点
値上げをするのは良いと思いますが、あまりにも大幅な値上げは売上に影響する可能性があるので注意が必要です。
どのぐらい値上げするかは、販売数はそのまま維持して利益をアップしたいのか、販売数を減らして利益を維持もしくはアップしたいのかによって違ってきます。
値上げのお話はある程度売れている作家さんを前提に書いています。
全然売れていないのに値上げするのはNGです。
いまの値段で売れていないのに値上げをするとさらに売れなくなってしまいますので。
大幅な値上げ
大幅に値上げをしたい場合は段階的に様子を見ながら上げるのがおすすめです。
私は2,000円→3,500円→4,500円と値上げを実施。
2,000円だと利益も少ないし、注文が多く作るのが間に合わないので、販売数を減らして利益を増やすするために値上げをしました。
注文数はもちろん2,000円と4,500円の時と比べて減りますが、利益や売上はアップしました。
大幅な値上げだったので、ロゴやパッケージを変更してみたりと作品が高級に見えるように値上げに合わせて変更しました。
多少の値上げ
販売数はそのまま維持して利益をアップする場合、値上げが販売数に影響しないように他のライバル作品の値段と比べながら決めると良いと思います。
ライバルよりも高くても売れそうだと感じれば少し高めでも良いですし。
1,000円のピアスの値上げなら200円値上げの1,200円ぐらいなら販売数にはあまり影響しないと思います。
1,500円になると販売数も減少しそうな気がします。
でも、販売数が減少しても、売上は案外変わらないかもしれません。
値上げの際の値段設定は慎重に。
値上げのタイミング
今販売中の作品はそのままの価格で販売、新しく出品する作品を値上げするのが良いかなと思います。
「〇月〇日に値上げします」と事前にプロフィールや作品の説明に記載しておくと良いでしょう。
全体的に値上げする時は、「〇月〇日に値上げします」に全ての作品の値上げを行いますと記載したり。
価格を戻す値下げをする
値上げをしてみたけど、売れ行きが悪くなって売り上げが下がった場合、2~3ヶ月待っても良くならない場合は値段を上げ過ぎた可能性があります。
値段を見直して値下げしてみても良いと思います。
値上げの前にしておきたいこと
材料費や梱包資材の見直し
値段を上げたいけど、リピーターの方に申し訳ないし、お客さんが減るんじゃないかとか色々な不安もありますよね。
なので、値上げの前に材料費の見直しおすすめします。
材料費が大幅に下がれば、値上げしなくてもいいか少しの値上げで済むかもしれません。
材料や梱包資材などが卸売り価格で購入できるNETSEA(ネッシー)などのサイトで購入すれば安く抑えられる場合があります。
また、材料だけではなく封筒やプチプチ、など梱包資材やラッピングの値段も見直してみてください。
原価計算をきちんとする
ハンドメイド販売を趣味の延長で初めてしまうと、ちゃんと原価や利益計算をしていない作家さんも多いのでないでしょうか。
でも、ちゃんと計算しないといくら値上げすれば良いのか決めるのが難しくなります。
原価計算の仕方
- ピアスフック20個入り200円(1個当たり10円)
- モチーフ5個入り300円(1個当たり60円)
- 丸カン100個入り200円(1個当たり20円)
- ピアス台紙100枚1,500円(1枚当たり15円)
- OPP袋100枚入り300円(1枚当たり30円)
- プチプチ300mm×10M 990円(1つあたり約2円)
- 封筒100枚入り200円(1枚あたり20円)
- マスキングテープ10M 150円(1つあたり1円)
ピアス1個当たり材料原価90円、ピアスは2つセット販売なので180円になります。
ピアス1つ販売するのにかかる原価は248円
他にも送料や購入したときにかかった交通費も含めて計算してください。
布の場合も1つの作品に何センチ使っているのか割り算して値段を計算します。
面倒ですが、売上が増えて確定申告が必要になった時に原価や利益が計算できていないと面倒な事になるので今からしっかり計算しておいた方が安心です。
材料費や送料、材料を購入する際にかかった交通費は確定申告の際に経費として計上できます。
利益計算の仕方
ミンネの場合(販売手数料10%税抜)と送料に原価を足したものを販売価格から引くと利益が計算できます。
下記サイトが自動計算で便利なので使ってみてください。
ミンネでの販売利益自動計算
今回の例だと、1,000円で作品を販売、原価248円、送料180円(スマートレターの場合)で計算すると利益464円、利益率46%となります。
原価率は54%でした。
値上げのお知らせ例文
販売価格の高騰など通常の値上げの場合
低価格でご満足頂ける作品をたくさんのお客様へ届けたい思いで作り続けてきました。
しかし材料費の高騰や利益を計算せずに販売価格を設定してしまった事など、値上げを考えなければいけない状況となってしまいました。
値上げには相当悩み、値上げしなくて済むように材料費の見直しなどコストの削減も行いましたが、やはり今の価格での販売が難しい状態です。
上記理由により誠に勝手ながら、〇〇〇〇年〇月〇日に作品の全体的な値上げを実施する事となりました。
大変心苦しい思いですが、値上げについてご了承頂けますようお願い申し上げます。
これからもみなさまにご満足頂けるよう、今まで以上に良い作品を作り続けていきたいと思っております。
今後ともよろしくお願いいたします。
作るのが間に合わない値上げの場合
嬉しい事にたくさんのお客様に作品を気に入って頂き、注文が殺到している状態です。
ご注文頂いた全てのお客様へご満足頂ける作品を届けようと頑張ってきました。
しかし、注文数が増えたことで毎日制作に追われ、生活にも支障が出るようになってしまいました・・・
ひとつひとつ心を込めて時間に追われず丁寧に作品を作りたいと日々感じながら作業をしていました。
大変心苦しい選択でしたが、このままでは良い作品を作り続けていくのが難しいと思い、〇〇〇〇年〇月〇日値上げをする事となりました。
値上げに伴い、作品に向き合う時間が増える事でこれまで以上にお客様にご満足頂けるクオリティの高い作品をお届けできると思います。
ご迷惑をおかけしますが、ご了承頂けますと幸いです。
今後とも引き続きよろしくお願いいたします。
大幅な値上げ+リニューアルの場合
これまでたくさんのお客様に作品を届けることが出来て大変うれしく思っています。
より多くのお客様にご満足頂けるように、作品に使用する素材を品質の高いものへ変更をします。
また、ブランドイメージを高めるためロゴやパッケージのリニューアルをする事になりました。
リニューアルに伴い誠に勝手ながら〇〇〇〇年〇月〇日より大幅な値上げを実施する事となりました。
ご迷惑をおかけしますが、ご了承頂けますと幸いです。
価格に見合う、今以上にクオリティの高い作品を作り続けていきます。
今後ともご愛顧のほどよろしくお願いいたします。
まとめ
- 値上げの前に原価計算をして、利益がいくら出ているのか把握して材料費などの見直しをする。
- ライバルの作品の価格を調査して、いくら値上げするか決める。
- 大幅な値上げは段階的に様子を見ながら。
- 値上げの前にプロフィールや作品の説明に値上げする事を記載する。
- 値上げは慎重に
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